はちみつ 養蜂家

はちみつを作る養蜂家の仕事

 

養蜂家の仕事は美味しいはちみつを採取するだけでなく、ミツバチを育てることは当然ですが、農家が作る野菜や果物にも大変大事な役割を担っています。


養蜂家とみつばちの一年

養蜂家は、みつばちたちが日々元気で楽しく、また安全に生活できるようにいろいろなお世話をします。
みつばちたちが作ったおいしいはちみつや栄養満点で人間にとって身体にもいいローヤルゼリーなど、みつばちたちが作るものをわけてもらい、それを人間が食べられるよう加工たりするお仕事をしています。

 

具体的な仕事内容を四季にわけてみました。

 


段々と気候が暖かくなって来ると、養蜂家の方たちの仕事が始まります。
春になると、桜の花や菜の花、れんげと可愛らしい花々が咲き誇り始めます。春の花が増えて来ると、巣箱の中のみつばちたちの数も徐々に増えて行き、巣の中は大賑わいになります。花の蜜を集める為にどんどんとはちの数が増えていくと、みつばちたちも巣箱の中が窮屈になって来てしまうので、巣箱を広くしてあげなくてはなりません。
春は養蜂家の一年のスタートでもあるのです。

 


季節は段々と暑さを増し、夏になって来ると、今度はアカシヤやトチノキの花、栗やソヨゴの花が咲き始めます。
春から集め始めたはちみつの量が段々と多くなり始め、巣箱の中ははちみつでパンパンになっていきます。そんな中でみつばちの新しい赤ちゃんたちを産み育てていくのはみつばちたちにとっても困難になってきます。そうなることはみつばちたちにとっても本意ではない為、住処を増やすお手伝いとして養蜂家の方々の出番がやってきます。余分なはちみつをみつばちたちから分けてもらっていくのです。また、分けてもらうものの中には、栄養がたっぷり詰まったローヤルゼリーも含まれ、養蜂家にとっては、はちみつやローヤルゼリーの採取という一年の仕事の中で最盛期を迎え、忙しい時期となってきます。

 


季節が穏やかに過ごしやすくなって来る頃、ソバやコスモの花が咲き始めます。
その頃にはみつばちの天敵となる大きなスズメバチも活発に動き始める頃でもある為、大切なみつばちたちを食べられては大変です。養蜂家の方々はそんな危険からもみつばちたちを守る為、毎日のようにみつばちの巣の周りを見回って危険がないかパトロールしていきます。秋も終わりに近づく頃には、だんだんと花の数自体も少なくなっていくので、一度は収穫させてもらったはちみつでも、冬を越す為に必要な量をみつばちたちに返してあげるのです。
全てを収穫しつくしてしまうと、みつばちたちも暮らしていけなくなる為、見極めも肝心ということですね。

 


気温が段々と寒くなってくると、女王ばちは子どもを産むことをやめ、巣箱の中のみつばちたちの数も徐々に減り始めます。それに合わせて巣箱の中を数に見合った大きさに調整するのも養蜂家のお仕事です。また、みつばちたちが冬を越す間に寒くなり過ぎないように、巣箱の周りを藁や発泡スチロールなどで囲んで暖をとってあげるのです。

 

こんな感じで養蜂家の一年は過ぎていきます。


ミツバチの巣

ミツバチの巣について

 

みつばちたちの住処、あなたはどんな形を想像しますか?

 

日常の中で見かける蜂の巣といえば、丸い形のものが多いですよね。しかし、養蜂家の方が作るみつばちの巣はちょっと形が変わっているのです。
巣板と巣箱という二種類があり、巣箱の中に巣板を入れられるようになっています。巣板はみつばちたちが巣をつくる場所を平らにし、中の様子が見られるようになっているものです。普段見掛ける丸い巣を平面にすることで、はちみつやローヤルゼリーを採取しやすくしています。

 

巣板の中では、働きばちがせっせと新しい巣を作っていきます。
働きばちが作る「巣」自体は何でできているのでしょうか?実は「みつろう」といって、働きばちが作りだす「ろう」でできている為、蜂の巣自体もそのまま人間が食べることもできるのです。みつばちたちの作る六角形の巣の中では、はちみつや花粉を貯めたりみつばちの子どもを育てたりします。はちみつや花粉がふんだんに敷き詰められている巣板ももちろんありますが、女王ばちが産んだみつばちの子どもを育てている巣板もあります。そちらの中には真ん中に女王ばちと卵、幼虫が生活していて、その周りにみつばちの為の栄養となる花粉やはちみつなどのえさを貯める部屋もあります。
その為、女王ばちやみつばちの子どもたちの周りには、お世話をする働きばちもきちんと生活していて、女王ばちやみつばちの子どものお世話をしたり、はちみつを運んだりと忙しく働いています。

 

巣箱は、巣板を入れる為に木製で作られた箱です。
巣板は花が盛りの春から秋にかけて、はちみつやローヤルゼリーが多く採取される時期には多い時で9枚までは収納できるようになっているのですが、季節によって変わる花の種類ではちみつを分ける際、または花粉の交配の手伝いの為、農家さんたちにみつばちを貸してあげる時に持ち運ぶこともある為とても便利な作りとなっています。

 

巣箱の中では、春から秋にかけて総勢5〜6万匹、寒くなり徐々に数が減った冬場でさえ3万匹程度のみつばちたちが中で生活しているのです。
多くのみつばちたちが過ごしているのです。

養蜂家の育てるみつばち

日本には現在二種類のみつばちが生息しています。

 

一種類目は、
日本に古くから生息している「日本みつばち」です
。日本みつばちは体が小さく色味が黒っぽいのが特徴です。
二種類目は、
海外からやってきた「西洋みつばち」です。
こちらは体が大きく、日本みつばちより色が黄色みを帯びているのが特徴です。

養蜂家が育てているのはこの西洋みつばちがほとんどで、このみつばちたちをお世話し、はちみつやローヤルゼリーを採取しています。
養蜂家の方がなぜ西洋みつばちをより多く育てているのかというと、みつばちの種類によって蜜の集め方に特徴があることが関係しています。

 

西洋みつばちは、その季節によって働きばちみんなで協力しながら、たくさんの蜜を出す花から集中的に蜜を集めます。
その特徴によって、春だとアカシヤの花のはちみつ、レンゲの花のはちみつ、といったように、それぞれの花の種類ごとのはちみつを集めてくるという特徴を持っています。逆に、日本みつばちはそれぞれの働きばちが自分が行きたい花の場所へ赴き、個々に自分好みのはちみつを集めて来る為、どの花の蜜を集めてくるのか予想できません。その為、日本みつばちが集めた蜜はいろいろな花の蜜であることがわかるよう、「百花はちみつ」という名称で呼ばれています。

 

また、西洋みつばちは日本みつばちと比べて、巣箱に集めるはちみつの量が非常に多いことも特徴の一つです。
たくさんの量を集めてくれる為、採取しやすいのは養蜂家の方にとってもメリットです。
また、習性を見てもより育てやすいのは西洋みつばちになります。
西洋みつばちはきちんと身の回りのお世話をして暮らしを安定させてあげることで、養蜂家の方が用意した巣箱の中が居心地良く感じられると長く生活してくれます。しかし、日本みつばちは案外気まぐれな所があり、不平不満があるわけでもなくふらっと巣箱から出ていってしまうことがあるのです。

 

堅実家の西洋みつばちと旅人のようなさすらいの日本みつばち。みつばちに対して安心安全な生活を保障することで、長く定着してくれる西洋みつばちを育てることで養蜂家の方にとっても安定したはちみつ採取が行えるというお互いのメリットがあることで生活が成り立っていくわけですね。

 

この持ちつ持たれつの関係性により、私たちの元に安定してはちみつが届けられるのです。

農家の作物にも養蜂家のミツバチが役立っています!

養蜂家がしている仕事は実はこれだけではありません。

 

みつばちたちの栄養がはちみつやローヤルゼリー、花粉だんごであるように、人間にも栄養は必要なものですね。
その栄養をとる為には野菜や果物も必要なものの一つです。その野菜や果物たちは、めしべにおしべの花粉を受粉させなければ、おいしい実を作ることができません。めしべとおしべの花粉を受粉する為に最適な生き物として、農家の方々にもみつばちは重宝されています。

 

花から花へとはちみつや花粉などを採取する為に飛び回るみつばちたちの働きによって、自然と受粉の手助けをしてくれているのです。
そこで、養蜂家は農家の方たちに頼まれることで、みつばちの巣箱を貸し出します。人間が人工的に受粉させるのではなく、みつばちたちに蜜を取りに来てもらうことで、農家は仕事がその分楽になりますし、手作業でしていく時よりもよりきれいな形の実ができてくるのです。養蜂家にとって、みつばちとは常に頭の片隅で「どうしてるかな」「何をしてあげようかな」と考える対象であり、ずっとお世話をしている大切な存在です。農家さんへと赴く際には、農薬や公害のある場所というのはみつばちたちにとってとても暮らしていける環境ではありません。
みつばちたちにとっては、自然環境の整ったきれいな場所で育ててもらうことがとても重要になってきます。

 

農家さんにとっても作物の収穫は生活に直結する為にとても大事です。
特に、梨・リンゴ・イチゴなどの果物、スイカ・茄子・きゅうりといった野菜たちはみつばちたちがいてこそ収穫に繋がっていきます。
果物や野菜を育てる上では農薬や公害も気にすべきところですが、みつばちを放つ際には要注意!みつばちたちにとっても毒になるので、養蜂家と農家で協力し合うことが大切になってきます。

 

養蜂家と農家だけでなく、みつばちとも協力し合う、みんなで持ちつ持たれつの生活を送っているのです。

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